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6月のコラム

「生かされている」2021年5月30日

 4月に、生まれて初めて手術をうけた。

 80歳になる人間が、今更手術を受けることに何の意味があるのか?素朴な疑問を若き医師にぶつけた。一瞬、答えに詰まった医師と看護師が、しかし、絞り出すような声で、「生活の質を高めるために手術は必要です。」この言葉で納得した。

 手術台に横たわり、全身麻酔の準備に入った。目を閉じると、「ああ、まな板の鯉とはこういうことか」と思った。「主よ。このまま召されるのも結構です。もし再び目覚めるならそれも結構です」と祈った。神にすべてをゆだね、心は平安だった。

 気が付いたら、手術は終わり、身体に何本かの管が通っていた。「生かされている!」私にはまだ使命があると実感し、神に感謝をささげた。

 人生には「いざ」と言う時が何度かある。その時、頼れるお方、ゆだねるお方がいるのは何と幸せなことだろう。自分の意志と力で生きていると錯覚しているが、本当は生かされているのである。生かされているのは、わたしやあなたに果たすべき使命があるからではないだろうか。

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内川寿造牧師

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