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2025年8月31日 礼拝
説教概要
平和をつくる者は幸い
小泉美早子師
マタイによる福音書5章9節
「『 平和をつくる者は幸いです。』という八福の言葉は、単に戦いや対立を嫌う態度を称えるのではなく、敵意が渦巻く現場に身を置き、積極的に和解といのちを生み出す使命を担えと呼び掛けます。争いから逃げるだけでも、力でねじ伏せるだけでも持続的平安は成立しません。
イエス様が示された道は第三の道──自ら敵意を担い、それを赦しによって終わらせる十字架の道です。エペソ2章は、イエス様がご自分の肉において隔ての壁を壊し、双方を一人の新しい人に造り上げ、神様と和解させたと語ります。人間の対立の根は「自分が主人でありたい」という罪にあり、そこから神様への反抗と隣人への敵意が派生します。
しかし十字架と復活を通して神様は『敵意は既に滅んだ』と一方的に宣言し、和解の現実を開示されました。主に結ばれた者はこの恵みに支えられ、相手の敵意を受け止め、許しへと導く『苦しむ能力』を与えられます。
イエス様は、力の優劣でも妥協の計算でもなく、敵の槍を己が胸に受けることで輪を閉じた。復活はその選択が決して無力ではないことを証明し、死さえも愛に屈したことを告げられます。
職場での軋轢、家族間の行き違い、教会内の意見対立――日常にも戦場は潜む。十字架の赦しに立ち『私から敵意を終わらせる』と宣言する時、天の父は私たちを『わが子』と呼び、その場にキリストの平和が芽生えます。この逆説的な勝利に倣い、今週も許しと奉仕で小さな平和を紡ぎましょう。それがイエス様に祝福された『神の子の幸い』への道です。
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