2022年6月19日礼拝会

説教概要

父母を敬いなさい

長谷川忠幸牧師(境港キリスト教会)

出エジプト記 20章12節

 十戒の第五戒に「あなたの父母を敬え」と命じられている。
 第五戒から第十戒までは人間関係に纏わる戒めなのだが、その最初に「父母を敬う」ことについて命じられている。父母を敬うことは至極当然のことのように思うのだが、十戒は何故ことさらにそのことについて戒めるのだろうか。


 それは、父母を敬うことが人間の営みの中で非常に難しく、この戒めを破ることは神に背を向ける生き方に通じるからである。
 ルベンは父ヤコブの寝台に上った(創35:22)。何故そのようなことをするのだろうか。それは自分が父親を凌ぐ力をもったことを誇示するためである。このことが象徴するように、人は力を手にすると人生の最初の権威である親を乗り越えようとするものである。


 年老いた両親を介護しているのだが、昔と変わらずに威張り散らし子ども扱いする親を憎らしく思うといったところはよく聞く話である。多くの人が、夢を追いかける自分を否定する親に反抗し、痛烈に批判をしたことがあるだろう。
 裏を返せば、私たちは自分以上に優れた者なら尊敬できるが、劣っていると思う存在を重んじることが出来ないのである。
 しかし、この十戒を授けた神は「エジプトの国、奴隷の家から導き出した神」なのである。即ち、だれも価値を見出さない奴隷の命を慈しみ、その者の救いに神の全能の力を総動員するお方なのである。
 そのような神を信じる者は、すべての命を慈しみ、尊敬するはずなのである。従って、神を信じる者は、年老いていく父母の 命を慈しみ、重んじるはずなのである。


 罪の奴隷であった私たちを慈しんでくださる主イエスを信じる信仰によって、私たちは日々父母を敬う者となろう。そうすれば、すべての命を慈しむ主の証し人としての歩みを全うすることが出来るのである。