2022年5月1日礼拝会

説教概要

「満ち足りる喜び」

​内川寿造牧師

ピリピ人への手紙4章10~13節

 「どんな境遇にあっても満ち足りる。」(ピリピ4:11)「あらゆる境遇に対処する秘訣を心得ている。」(4:12)「私を強くしてくださる方によって、どんなことでも出来る。」(4:13)

 これらの確信に満ちた言葉は強がりではなく、使徒パウロの実体験に裏打ちされている。彼は今、ローマの獄中で自由を奪われ、先の希望も見えない暗闇の中にいる。人生の晩年、冷たい石牢は身にこたえる。嘆き、悲しみ不満を漏らしても当然だ。

 しかし、パウロは目を天に向け、喜びに溢れて、遠く離れたピリピ教会に思いを寄せ、励ましの手紙を書くのである。パウロの言う「境遇に対処する秘訣」とは何だろうか。

 第一に彼は自分を見ていない。

 「私を強くしてくださる方」を見ている。私たちは境遇に左右されやすい。朝、雨が降っているとそれだけで落ち込み、晴れていると爽快な気分になる。思い通りに事が進むと得意になるが、思い通りにならないと焦りいらいらする。身体が元気だと、身軽に行動に移れるが、病気で痛みを抱えていると、何事も億劫になる。それらはすべて自分を見ているからである。

 思いを天に向け、私を強くしてくださる方を仰ごう。

 

 第二は、神の摂理を信じるのである。

 神に導かれている。今分からなくても、時が来ると納得できる。だから感謝が沸いて来る。このピリピ人への手紙も、神とピリピ教会への感謝が動機で書かれたものである。生かされている感謝。必要を与えられている感謝。食事、家族、仕事、健康、趣味への感謝。感謝することは数え切れない程、多くある。

 満ち足りる心は、感謝から生まれる。

 

 第三は、私を強くしてくださる方が共におられるからである。

 パウロは、コリント第一15章10節で「私に対する神の恵みは、むだにはならず、私はほかのすべての使徒たちよりも多く働きました。」と誇るが、すぐその後で「しかし、それは私ではなく、私にある神の恵みです。」と念を押す。パウロは当時の全世界に福音を伝え、多くの教会を開拓し、多くの足跡を残したが、しばしば自分の弱さを吐露し、神の力に支えられたと証ししている。(コリント第一2章3~5節)弱い葦の棒でも鉄棒に結び付けられたら決して折れない。

 「世の終わりまで、いつも、共におられる。」(マタイ28章20節)主イエス様の臨在を意識しよう。