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2025年12月21日 礼拝

説教概要

世界で最初のクリスマス

小泉智師

ルカによる福音書2章1ー7節

ローマ帝国による人口調査。これが世界で最初のクリスマスの背景です。権力者は人を数えます。税や軍事のために人を測ろうとします。数えられる側のヨセフも登録のために先祖の地ベツレヘムへ向かいます。しかし不思議です。なぜ身重のマリヤまで同行するのでしょう。登録は代表の家長だけで足りるのに。聖書は多くを語りませんが、マリヤはナザレに居場所を失っていた存在なのです。不貞の女性の烙印。正義感や秩序が、かえって人を排除します。

 

数えられる人間にも差はあります。先へ進む者と後れをとる者。妊婦連れの足取りはどうしても遅れます。その結果、目的地に着いたときには宿には居場所がありません。勘違いしてはいけません。小さな村ベツレヘムに商業的な宿屋はありません。当時は親族の家に身を寄せる習慣です。つまり夫婦は親族からさえ受け入れられなかったとも言えるのです。地元にも居場所がなく、国家に利用され、尊厳を奪われた存在。聖書は徹底して闇を語ります。これは当時だけの話でしょうか。

 

希望はどこにあるのでしょう。この物語に派手な奇跡も天使の歌声も祝祭もありません。神などどこにいるのだろうかと嘆かずにはおられない状況ではありませんか。そっけなく言えば、貧しい夫婦が、生まれた子を飼い葉おけに寝かせただけです。光の方向にゆこうとしてもいけない人はどこにでもいるのです。

 

しかし神なら来ることができるでしょう。闇の中へと。数える側ではなく数えられる者の中に。人としての最低限の尊厳さえ失われる獣の匂いのする場所に。居場所を奪われた者のところに。神である尊厳まで捨ててまで。世界で最初のクリスマスは、まぎれもなくそこから始まりました。

​前回の説教概要

©2023 by 岡山神召キリスト教会

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