2024年11月17日 礼拝
説教概要
安心して生きる
小泉美早子師
詩編114篇
この詩は新しい出発を歌うのです。イスラエルの出エジプトのわざとは、民の困難をあわれむ神の恵みの働きでした。この出来事を通してイスラエルは神の民として形作られていく新たな歩みを始めるのです。ユダは聖所、イスラエルは主の所領としての新しいアイデンティティが与えられるのです。私たちも神の民として呼ばれた者なのです。
ある面では死もまた、旅立ちだと言ってもいいでしょう。問題はどこに旅立つのかがはっきりしているかどうかです。神の民である以上、答えは明らかなのです。この地上での様々な苦しみから解き放たれて、天の民として神が迎え入れて下さる旅立ちなのです。そこでは永遠に主を礼拝することとなるでしょう。
ところで、出エジプトを実現なさった主なる神の前では、自然は独特な反応をすると言うのです。海、ヨルダン、山、小山。これらは荒野を旅するイスラエルが体験した世界です。旧約聖書の世界では厳しい自然は人間の存在そのものを脅かす脅威の存在でした。ところが、その自然の脅威が主の前ではまるで退くかのように逃げ、神のみ力の前ではその権威を明け渡すというのです。
死も自然の営みのひとつとして理解されています。確かにどんな人生を歩もうと死の脅威から逃れられる人間などどこにもいません。死が最後の敵として人の前に立ちはだかります。ところが主が臨んで下さる時に、死でさえも道をゆずることになります。復活の主が死そのものをいのちで包んでしまわれたからです。
確かに我々が生きていく歩みの中には様々な脅威と出会います。だからと言って、不安になり心騒がせることはやめましょう。岩を池に変え、石を泉に変えて下さる主がご一緒である限り、どんな環境であってもそこは祝福の場へと変えられるのです。そして主は生きておられるという証しと賛美を与えて下さいます。